●四段の昇段審査(2)

1回目の実技の納めの蹲踞(そんきょ)の際、バランスを崩して、右手を床についてしまった。休みなしの過労と稽古の疲れが溜まっていて、この頃は階段を上るのも辛い下半身の状態ではあったが、よりによって実技での蹲踞がフラついていては大きく減点だ。もはや2人目の実技で挽回しないと!掛け声もこれ以上ないくらい声を出し、前へ。ひたすら攻めの気合を出し続け、打っては攻め、攻めては打つ。いつしか試合モード。とうとう、攻めの面が1本綺麗に決まった。2人目の蹲踞の際も太股はプルプル状態。手こそつかないがビシッとした姿勢では終われなかった。今回、金王道場からは五段が2名、四段が4名受審している。実技は午後に及んで、随時、合格発表。「670」があった!早速、おにぎりとバナナを食べて、形の稽古。8月から始めた形の稽古は、太刀7本を思い出しながら細かく手直しし、小太刀3本は10月から覚え始め、今までになく覚えたつもりで審査日に臨んだ形。学科のレポート3枚を提出しながら、形の受付をする。私は先に打つ「打太刀」。3組1グループで審査開始。私の相手は小柄で優しそうな男性。私の組は審査員席から一番離れていて気持ちもラクだが、掛け声は大きく、1本目で決まるといわれる面を大きく振りかぶって打ち切った。集中力も薄れたのか7本目になって、まさかの間違い。仕太刀が打つはずの胴を打ってしまい、相手に「やり直しましょう」と伝え、審査員席に向かって手を上げやり直し。そして小太刀の3本目の「ヤー」の掛け声を忘れてしまった。他の受審者の形も完璧ではないが、合格率の低いコートにいては比較のしようがない。ちなにみに四段の合格率は1/4。とうとう発表。「670」合格!台風のような雨の中、金王道場の師範と先輩方々に綾瀬駅前の居酒屋で五段2名と四段2名の合格祝いをしていただいた。本当に感謝と実りの一年となった。

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