このサイトのタイトルである「MithriL」は、J・R・R・トールキン著『指輪物語』に登場する架空の金属の記述から名付けた。
物語では、主人公のフロド・バギンズが養父ビルボ・バギンズの誕生会の後で魔法の「一つの指輪(One
Ring=支配する指輪(Ruling Ring)」と「つらぬ
き丸(Sting)」のナイフ(短剣)と「ミスリル(mithril)製の胴着」を譲り受ける。やがて、フロドは灰色の魔法使いガンダルフからその指輪を「滅びの山(Mount
Doom=オロドルインOrodruin)」の火口(滅びの亀裂)に投げ込み、破壊する使命を告げられる。
フロドは、ミスリルを着込みスティングを持ち、指輪の旅に出た。間もなく、「エルロンドの会議(Council
of Elrond)」により、ガンダルフを含む旅の仲間が加わり、9人の旅が始まる。そして一行は命がけの旅を続け、フロドはその使命を果たした。
mithrilとは、シンダール語*で mith は灰色を ril は輝きを意味し、その特性はシルクのように柔らかく、鋼鉄より硬いとされ、銀色の輝きを持つその金属は「まことの銀」とも呼ばれる、とある。例えば、フロドがマントの内側にミスリルを着込んで、モリア坑道を探索中にモンスターに槍で刺されたのに無傷だった、と表現されるように。
私がトールキンを知ったのは、1977年。児童文学を愛する職場の先輩から薦められた。『指輪物語』瀬田貞二訳(評論社文庫全9巻)を読んだのは、1987年。失恋をきっかけに読み終えた。
私は、命がけで使命を果たすまでのフロドの旅の道のりに勇気を与えられ、フロドの身を守ってくれたミスリルの素材、その神秘性が印象に残った。同時に、『指輪物語』は大好きなファンタジー作品になり、「MithriL」は、それからの私のロゴ・マークになっている。
* Sindarin トールキンが開発した人口言語。トールキンの神話では、かつて最も使われたエルフの言語。 |