●沖縄の空手を本土に探して(1)

2009年8月に板橋区合気道連盟で合気道を始める前の3月末まで、私は荒川区町屋の空手道場に6年間通っていた。50歳で3段を受ける準備をしていたところ、道場の先輩方々の中には昇段審査をなかなか受けない方もいらっしゃるので、人生の残り時間が少ないとばかり、果敢に審査にチャレンジしていた私は、道場の環境に限界を感じていた。同時に25歳の頃に少し試してみた合気道を改めてやりたい気持ちも高まり、私は合気道にシフトした。それから合気道を6年間修行して、本部道場で2段を取った。2015年11月から始まった剣道5段審査に集中するために合気道を休止し、5段審査に受かった2017年2月以降、再開するつもりでいた合気道は中断したままである。ガツガツと稽古してきた合気道を休んでから、その間、居合道も始め、杖道の稽古も再々度見学して、2017年の第55回全日本合気道演武大会をYouTubeで観ると、それまでの合気道の見方に変化が起きていた。合気道へのイメージ、武道としてのその特長をはっきりと認識できた気がした。合気道を再開するのであれば、塩田剛三かスティーブン・セガールの合気道ではないかと。さて、居合を始めて丸2年。無双直伝英信流とはいえ、所属する篤志会の合宿に参加できずにいるので、古流はわずかで、ひたすら全剣連居合を週一程度で稽古している。今年3月に2段は取れたが、剣道の経験が生かされているに過ぎない。居合道は右手で刀を抜くイメージだが、実際は左腰に差した鞘で抜くということを、居合を始めてから知った。それは、空手の突きと同じ意味であり動作である。居合を稽古しているうちに、私は空手を再開したくなっていた。空手の歴史、沖縄の風土、格闘技としてのレベルの高さなど、色々と思い出されてきた。そもそもカンフー、中国武術をやりたかったことが空手を始めた動機なのだから、その気持ちは消えていなかったようだ。

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