●第46回全国空手道選手権大会(所属会派編/連合会)(3)

本間絵美子さんは、カウンターが得意な選手。攻め攻めイケイケタイプではない。じっくり相手を見てカウンターでポイントを取る。まず、構えのすべてが良い。猫手の小刻みな間合いの取り方は絶品。中段突きは教科書のよう。滅多に蹴りはしない。カウンターの上段突きと、相打ちの中段突きが見事。守りばかりではなく、本間さんの攻めの突きは鋭く真っ直ぐの基本形で派手ではない。そこがまた渋い。ラスト侍のようだ。そんな人と私は今戦いっている。何も戦略などは浮かばず、イケイケの私。パカパカとカウンターを取られて試合終了。握手をして「また後ほど~」などと本間さんに告げて、私の記念試合は終わった。それにしても、開始早々に背刀のポイントを関東のオバチャンに取られたショックは大きいはずだ。ナショナルメンバーとしては、汚点かもしれない。一般女子の組手の試合が終わり、私は試合で使った青のグローブに、本間さんからサインをもらった。そこへ佐久本嗣男師範(沖縄劉衛流空手古武道龍鳳会会長、全日本空手道連盟ナショナルチームコーチ)が声をかける。あのナショナルチームの女子団体組手のコーチの佐久本師範が、審判のブレザーを着てこの開場にいる。本間さんに聞いたら、今年から劉衛流も連合会に所属したとのこと。流派別の組織ではなく、あらゆる流派の道場が所属できる連合会の存在は貴重で面白い。誠友連合友心会のTさんは、関西のオバチャンでマスターズ優勝者のKさんとの対戦で前蹴りをあび、ドクターを呼んだ。居串会のHさんは、私の記念試合のビデオ撮影してくれた記念すべき2008年。帰宅して対本間戦を何度も見る。44歳で始めた空手。上段蹴りは上手くできない、戦略的試合もできていない、組手のスタイルになっていない、少しもカッコ良くないのだ。丸6年経ってこの程度なのか…という落胆の気持ちで、私の空手道に壁のような行き詰まりを感じた。

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