●二段の昇段審査(全空連・連合会編)(2)

今回の組手審査で、私は上段蹴りと投げをデビューさせた。開脚が90度しか開かない私としては、今日は相手が小柄な人だったので、上段蹴りと投げをやってみた。とくに投げを試合でデビューさせたい! スピードと突きが主流の空手競技の若い人々の中に投げを入れて決めてみたいのだ! それにしても何故投げたいか? "足元をすくわれる"という表現があるように、人間の恐怖心の中で足が浮く瞬間の恐怖感と無力感は最たるものではと思う。そもそも剛柔流は接近戦。中国北部の騎馬戦の影響を受けている首里手のように間合いは長くなく、短いのが特長の那覇手。突きのように一直線ではなく、相手に絡む柔術の要素が多いのも剛柔流。居串先生によれば、女子の組手審査が一番面白かったとのこと。昼食は大学周辺にお店がないので、買い込んだ弁当を先生方と体育館の陽だまりで食べ、午後からは有料\1,500の形講習会。審判をした先生方も道衣に着替え、松涛館、剛柔、糸東の三流派の形を一つずつ習う。二段以上から、地区大会の審判員をすることができるが、ボランティアであり人手不足が現状。武道競技の中でも流派のある空手はそれぞれ立ち方から違うし、師範だからといって他の流派を網羅しているわけではない。私は所属する剛柔流の形を極め競技生活を長くすることが目標だが、審判は全空連の指定形という共通の形の他に、他流派の知識と勉強も必要で、さらに、大会のレベルが上がれば上級審判員としての高い内容も求められることを思うと、、審判員のレベルアップも大変なことだと思う。午後4時までには講習会も終わり、先生方とともに大学を後にした。帰り際、町屋駅の居酒屋で居串先生と矢口会長からお話を伺う機会に恵まれた。矢口先生はお酒が飲めない職人気質のような方。泉武会のこと、誠友連合に至るこれまでのこと、空手業界の歴史のようなお話を聞くことができた。

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