●全空手公認の昇段審査[組手編]

自分の形の番が終わると、他の有段者達の形をじっくり見ることができる。各大会で審査員をしている先生方も、空手衣を着て審査を受けているのが新鮮だ。各会派の参加者の形が終わり、今度は組手。段位別に分かれ、4,5段以外は2試合ずつ行う。初段の女子の部では、18歳から40代までいて、40代が5人もいたのに、やはり47歳の私は最年長だった。今年早々の競技で、組手に臨む自分に気勢がなかなか入らず、相手から吹っ飛ばされて、右足甲の打撲と左手親指の突き指をしたこともあって、組手をするときは全身を集中させ、戦う気を体内に巡らせ、PRIDEやHEROやK-1に出場する格闘家のように、アドレナリンを噴出させ、目からギラギラしたビームを発しなければならないと誓っていた(苦笑)。組手の審査は勝敗を競うものではなく、時間まで流しで行わせている。競技試合とは違うのだから、段位に見合う組手をしなければと思っていたが、約1分間を2回、その中でできるだけ技を見せなければならないというH氏の言葉に奮起し、1試合目からパカパカと当ててしまった。さっそく審判が止めに入り、「落ちちゃうよ」と小声で注意された。やる気と技のオンパレードと身体に当てないようにと、とにかく動いて2試合は終わった。最年長の私が一番派手だったかもしれない。組手は正午前に終わり、午後からは審判講習会があるとのこと。居串先生にご挨拶して、H氏は講習会のため残り私は帰った。空手を始めたのがちょうど3年前の5月。全空連の昇段試験まで漕ぎ着けたこの3年間を思う。引越や失業などが重なったこの時間は、仕事や生活の不順さと厳しさが続いて、心身共に強くならなければ、戦う気持ちを持続させなければという願いで続けてきた。改めて感じた武道を好きな気持ちと先生と仲間が、中年の私を支えて励ましてくれた。先生と仲間と集う稽古場に恵まれたことに感謝したい。

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