●空手道を始めた理由(2)

“カンフー”をキーワードに訪ねた中国武術の各指導者に、その始めた動機を尋ねると、ほとんどの方がブルース・リーを挙げていた。30年前中学生だった彼らは、志を強く持ち稽古を続け、指導者になり活躍していたのだ。それにしても、稽古事は通わなければ意味がない。仕事もあり週1回で限られた曜日と場所では上達しにくいのではないかと思い、当時荒川区に住んでいた私は、結局自宅の近所を探すことにした。インターネットで見つけた区体育協会加盟団体の空手道連盟の連絡先が、居串俊男先生。偶然にも先生の稽古場の小学校が近所で、そこに通うことになったのが2003年5月26日(月)。ブルース・リーから30年。キアヌ・リーヴスから4年経ったことになる。居串会が所属する泉武会誠友連合本部は、空手道剛柔流泉武会総本部泉川勝也宗家および鈴木覚会長の許しを頂き、平成10年9月1日斯道発展を念じ設立とある。居串会は月曜・金曜の週2回、午後7時から2時間の稽古。月謝は4,000円。初の空手着は、道場指定店の東京守礼堂(台東区柳橋)のKW-11(中厚)4号。とにかく、週2回の稽古に通う。44歳から始めた空手。準備体操もキツかった。その頃の私は、生きる目標を失い自信喪失の状態が続いて、更年期障害に入ったのではないか?と悩んでいた。肉体的には体育会系の丈夫さがウリで、今まで自律神経失調症的な症状もほとんどなかった私は、単なる落ち込みと違うこの症状が理解できず、初めてうつ病の軽い症状を自覚した。そこから抜け出すために、「強くなりたい、自信を取り戻したい」という願いを込めて、稽古を励みにしたのだ。居串会では、息子や娘を連れてくる面倒見の良い父親の家族が3つと小学1年生から50代の成人男子まで平均15名位で稽古をしている。汗にまみれた男臭い集団の空間とは違い、アットホームな道場である。

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