●河合隼雄さんの講演(1)

2006年6月4日(日)14:30~16:00御茶ノ水の明治大学リバティタワー3F1031号室にて、「日本ユングクラブ」の総会であり閉会式が開催された。このクラブは、河合隼雄さんが代表している「山王教育研究所」に付設している機関で、2003年からこの研究所の会員になった私は、会報でこの講演会を知った。この研究所では、臨床心理士を目指す大学院生の講座が充実しており、一般人も単発の講座に参加できる。10年前、心理学の勉強を始めた頃に研究所を見つけ、クラブにも入会したいと思いながら、ここ数年研究所の受講資格の専門性がより高くなってきたことで、私は心理学系の勉強に遠ざかっていたが、今回参加しようと思ったのは、著名な河合隼雄さんにお会いしたいこと、わずか2,000円で受講できること、そして母校の明大で開催されることもあった。臨床心理学者で京大名誉教授の河合さんは、日本にユング派心理療法を確立した方として、また政府機関でもご活躍されて、あまりにも影響力のある方。ヒーラーの王由衣さんも推薦図書として河合さんの著作を多数あげている。当日は午前中に渋谷の剣道場で稽古をして、そのまま御茶ノ水に向った。少し早めに着いたので、最前列に座る。受講者は、研究者や現場で仕事をしている方々のような感じだ。1928年生まれの河合さんは、始終立ったままでマイクを持ち話し続けた。演題は、『偶然と必然』。その話し方の印象は、TVタレントの島田伸介の口調に似ていて、軽快な関西弁にジョークを交えて明るく楽しい。1時間半のお話で印象に残ったことは、まず、現代はあまりにも“原因があるから結果がある”という考え方をし過ぎてはいないか?!ということ。すべては原因→結果ではない。“ありのままの状態があるだけ”ということもある。原因と結果を考えられる人は、明らかに間違った考えをしたとしても相談などに来ないものだということ。

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