●平成23年度渋谷区春季剣道大会の中止

2011年5月4日(水)に開催される予定の渋谷区春季剣道大会は、3月11日(金)の東日本大震災の影響で、会場の渋谷区スポーツセンターの損壊により中止となった。道場の先輩や私の連続出場もここで一旦途切れることになる。このような未曾有の天災下で、公共の体育館や武道館等の大型施設は被災者の一時避難場所として利用されるため、特に東日本では様々な大会が中止や延期となっている。足立区にある東京武道館は、4月末まで被災者を受入れており、私が住んでいる板橋区の武道場や体育館も夜間は電力の節約もあり、4月一杯は利用できない状況だ。唯一使用できるのは個人道場や合気会本部道場などの私設の建物くらいだろうか。平和な日常生活がいつまでも繰り返されるかのような日本の幻想は消え、一瞬で意識革命が起きている。被災処理と復興が同時に進む中、今年の残りの日々さえ大型余震の可能性があり東日本を脅かしている状況だ。私の実家は福島県二本松市。このようなときに職業や仕事でもない武道の稽古に行きたい私の気持ちは複雑だ。渋谷区にある金王道場は3月については帰宅難民や余震の心配もあり全面的に使用ができなかったが、4月から木曜日の一般稽古は再開された。私が二本松市に住んでいたら稽古ができる状況にはないだろう。介護施設に毎日通っていた母親は自宅介護となり、会社員の親族は自宅待機の状態でかなり厳しい状況になっている。私の生活も今年は軌道修正が必要になるかもしれない。すでに"3.11"は世界的な事件で、チェリブイリ・スリーマイル・フクシマと並び、地震と津波の大被害に加えて原発の放射能の被害は、地球に影響を与えるフクシマとしてより際立っている。普段は地味で目立たないエリアの東北。TVのインタビューでは、被災に対して冷静で実直で品格さえ感じるその姿に励まされ、私のアイデンティティは東北人であることを思い出させた。

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